『WP Super Cache』と制作側の苦悩

『WP Super Cache』は、定番すぎてこれまでに話題にしていないプラグインの一つです。
世界中の100万サイトで有効になっているそうです。
今回はこのプラグインの紹介と使用時の注意(留意)点についてです。
WordPressを使用したサイトは従来のHTMLファイルのみのサイトと比較すると読み込み時間が余計にかかります。
これは原理的なもので欠陥ではありません。
WordPressはPHPというプログラム言語を多用しています。(と言うよりPHPでできています)
PHPは通常のプログラム言語の様に計算をしたりして結果(答え)としてHTMLを出力します。
これがWordPress(PHP)の自由度の高さを実現しているのですが、従来のHTMLファイルのみのサイトと比べるとPHP処理という過程が必要なわけです。
従ってPHP処理が多くなればなるほど読み出し(計算)に時間がかかるという理屈です。
しかし、このPHP処理というのはある決まった処理の繰り返しの場合が多いです。
ここに着目したのがキャッシュという考え方です。(現金のキャッシュと同じ発音ですが綴りが違います)
PHPはある処理をして結果をHTMLとして出力すると説明しました。ならば同じ処理の結果のHTMLをキャッシュ(メモリーです)に入れておいて、その処理をしなければならない場合に計算を省略してキャッシュの内容を出力すると見かけ上早くなります。読み込み時間が1/10、ものによっては1/100になります。
要はこれだけのことです。処理によってキャッシュに入れる入れないなど難しい問題もありますが、基本的には簡単なことです。
長くなりましたが、この機能を持ったプラグインが『WP Super Cache』というわけです。
それでは、『WP Super Cache』の設定の説明です。
『WP Super Cache』をインストール後、左側の管理バーの”設定”の中にある”WP Super Cache”をクリックすると設定画面が表示されます。
インストール直後には様々なWarningが表示されることもありますが、自動翻訳機などで読んでみてください。(大したことは言っていません・・・)
そして、”キャッシング利用 (推奨)”にチェックを入れて”ステータスを更新”をクリックするだけでOKです。
『WP Super Cache』は設定箇所が多く(細かく)て技術者やマニアには良いのですが、設定箇所に”まれに不具合が起こる・・・”という無責任な説明が多いです。開発設計者として正直なのかもしれませんが、ユーザーにしてみると不親切です。
そこで、少なくとも弊方の環境で長年大丈夫な次の設定を紹介します。
上図は『WP Super Cache』の設定画面の上部タブ”詳細”の内容です。
”推奨”の項目にチェックを入れています。”ステータスを更新”をクリックして設定完了です。
基本的にこれだけで大丈夫です。キャッシュ時間等も変更できますが初期値1800秒(30分)で十分だと思います。
さあ、次の話題です。実はこちらの方が紹介したかったことです。
WordPressサイトにおいて(PHP)キャッシュは不可欠な機能です。これは間違いありません。
しかし、「自分のサイトは(PHP)キャッシュを使っている」ということを常に頭に入れていないと大変なこと(気持ちの上で?)になります。
キャッシュはある時間同じ処理の結果を吐き出します。
しかし、WordPressサイトを運営する人は頻繁にコンテンツの更新や修正を行います。スキルの高い人はFTPを使ってPHPファイルの修正をします。
「修正が終わった。ふー」でF5を押しても修正が反映されない!
慌てますよね。明らかに変えたのに前と同じ。
冷静に考えると単純なことです。キャッシュの内容が出ているだけです。あなたの変更した箇所の演算(PHP処理)はされていないのです。
実は、これは慣れた技術者でも良く陥る罠です。記述を間違っていると思って他の触らなくていいところまで触ってしまう。。。
危険であると同時に時間の無駄です。
『WP Super Cache』にはキャッシュをしないページなどを設定できる機能はありますが、それではキャッシュの意義が半減します。
そうです、確実な解決法はひとつ。変更をするときは”キャッシュを切る”です。
ですから「自分のサイトは(PHP)キャッシュを使っている」ということを常に頭に入れておく必要があるのです。
お試しください。